日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 『水ダウ』松本人志全発言を抽出【前編】

『水曜日のダウンタウン』松本人志不在でどうなる?“最後の出演”全発言を抽出して検証する【前編】

テレビのロケが一度も入ったことのない飲食店を4連続で引き当てるまで帰れません ほか | TVer

「『水曜日のダウンタウン』今夜が松本さんアリでの収録ラスト回です。」

 24日の放送前、TBSの藤井健太郎氏によるX(旧Twitter)でのポストである。

 週刊誌報道を受けて芸能活動を休止するダウンタウン・松本人志の出演分として、この日の放送が収録済みの最後の『水曜日のダウンタウン』となった。次週以降、いったん松ちゃん抜きでの『水ダウ』が始まることになる。

 松ちゃんのいないお笑い界は、いったいどうなるのか。活動休止が発表されて以降、さまざまなメディアで活発な議論が繰り広げられている。代役はいるのか、どんな影響はあるのか、あの番組は、この番組はどうなるのか。そんな中、特に注目を集めているのが『水ダウ』だった。

 制作側が考えてきた企画でVTRが作られ、それを松ちゃんはスタジオで見てコメントする。企画メインだから面白さは削がれないという意見もあれば、松ちゃんがスタジオにいるからこその面白さだという見方もある。

 いったい、松ちゃんのいない『水ダウ』はどんなものになるのか。それを考えるために、24日放送の『水ダウ』における松ちゃんの発言をすべてピックアップしてみたい。タイムラインはTVerでの配信ベースである。なお、検証のため全ネタバレであることはご容赦いただきたい。

00分09秒「そうなんだ」

浜田雅功の「水曜日のダウンタウン、よろしくお願いします」という怒鳴りに対するひと言。自分はスタジオにはいるが、これが『水ダウ』の収録だとは知らなかった、という意味の小声の小ボケである。

00分20秒「ああっ! マヂちゃんじゃん!」

最初のプレゼンターであるマヂカルラブリーの登場に対して。一般に馴染みのない「マヂちゃん」という呼び方をしている。これも小ボケ。

00分52秒「まあまあまあまあ、あるんじゃないですか?」

「テレビのロケが一度も来たことのない店、東京23区内にも探せばそこそこある説」が発表されたときの対応。腕を組んで、ここは進行に徹する。

01分26秒「ない」「トークがめんどくさくなっちゃって」

マヂラブ・村上から「自分の行っている店で取材を受けてなさそうな店はあるか」と問われた際の答え。あえて温度を低くするというスカシボケでアクセントを入れている。

01分58秒「おなじみやなぁ」

VTRがスタート。鬼越トマホーク・金ちゃんの「このメンツ見てわかるんですけど、これは帰れないやつ(収録)です」という発言にかぶせて、スタジオの村上が「おなじみの」と補足。さらに、それにかぶせたフォロー。ちなみにメンツは金ちゃん、オードリー・春日俊彰、トム・ブラウン、きしたかのというおなじみのタフなメンバー。ここから松ちゃんの発言はワイプに。

02分23秒「そうでしょう」

「取材アリの店を引いたらリセットになる」というルール説明に対して、スタジオゲストのなえなのが「リセットになっちゃうんだ」とつぶやき、それに同調する発言。

02分28秒「これ、たまってくるぜぇー」

さらに「その店の看板メニューを完食しなければならない」というルール説明に対するリアクション。

02分48秒「ああ、新宿ハズレやねえ」

春日・金ちゃんペアは大田区、きしたかのは荒川区の店限定となるのに対し、新宿区を引いたトム・ブラウンに高野正成が「新宿ハズレですよ」と大声で指差し、それに松ちゃんも同調。

02分57秒「マジかよぅ」

各自、原付バイクで取材へ行く様子が映し出され「ロケバスじゃないのか」という意味でのツッコミ。

03分50秒「スターツ……」

取材現場に散ったメンバー。大田区に到着した春日がいよいよ取材がスタートするという意味で「スタァーツ!」と無意味な怒鳴り。松ちゃんがそれを小声で拾っている。スベリを放置しない優しさを感じる。

03分57秒「荒川区たぶん行ったことないな」

きしたかのが荒川区に到着。上京して35年、都内をロケで飛び回るといった仕事はほとんどしていないということが、この発言からわかる。上京当時からすでに看板扱いだったダウンタウンというコンビのキャリアが垣間見える発言。

04分14秒「ハルピン」

高野が「潰れてるなぁ」と指さした中華料理店の店名。ハルピンは中国最北部にある都市の名前。

04分43秒「でも、お客さん多いよ」

新宿区早稲田の立ち食い蕎麦「山吹」を最初のターゲットにしたトム・ブラウン。「そんなにキレイじゃない感じだよね」「テレビの取材が入ってるとは思えない」と言いながら入っていった店内の様子についての発言。

05分10秒「まあ、でもね」

「山吹」が取材アリだったことに落ち込むトム・ブラウンを見ての発言。トム・ブラウンが基本失礼なスタンスで入っていることに対し、松ちゃんが店側をフォローする立場に立っている。番組の印象が悪くならないよう、細やかな気遣いが見える。

05分36秒「自分で(メニューを)選べないんやもんね」

「山吹」の看板メニューであるカレー南蛮を食べることになったトム・ブラウンを見ながら。この「大食い耐久」企画の肝になるルールを視聴者に再確認させている。

05分40秒「腹立つ画やなぁ」

熱そうに蕎麦をすするトム・ブラウン布川ひろきの顔に対するシンプルツッコミ。

06分25秒「いや、きついなぁ」

きしたかのが訪れた、いかにもロケが入ってなさそうな洋食店が「アリ」だった結果に対して、マヂラブ・野田が「これ、やばいすねえ」と企画の難航を示唆。松ちゃんも同調する。

06分43秒「このあたりはまだいいけどさぁ」

かつ煮定食を「美味しい」と味わって食べる高野に。やはり今後の大食いによる芸人たちの苦難と、企画そのものの難航を煽る。

06分50秒「これ、あるんちゃう?」

大田区の春日・金ちゃんペアが選んだ「中華やまや」という老舗店を見て。このあと、実際には「やまや」は取材ナシで1軒目のチャレンジ成功となったが、この一連の経緯については何も言わなかった。

08分25秒「すげぇ……」

新宿区のトム・ブラウンが訪れた「健ちゃん」という店の古びたメニュー写真を見て。この店も成功となるが、スタジオの浜田が「なるほどね」、村上が「居酒屋はちょっとチャンスかもしれないですね」などとコメントする中、やはり松ちゃんは何も言わない。まだ序盤ということで、おもしろによる「山」を作らないようにしているのかもしれない。

11分04秒「そうかー、リセットか」

「健ちゃん」の次にトム・ブラウンが訪れたラーメン店が取材アリだったことを受けて。企画初のリセットが発生したことに対してのリアクション。ここでもルールの再確認。細やか。

11分15秒「来たか」

ドボンの結果、ホタテ塩ラーメンを完食したトム・ブラウンが「腹もきつくなってきたねえ」「これ思ったよりヤバいぞ」とつぶやいたことに対して。この間、単なる感想は控えて「大食い耐久」という企画の主旨に沿った発言だけしているように見える。

12分00秒「お店の人はどうしていいか分からんけども」

きしたかのが鍋店で初のクリア。大喜びで店員とハイタッチするきしたかの。ここで初めて映像がスタジオに戻り、松ちゃんのワンショット、テロップ付きでこの発言が使われる。「大食い耐久」とは別に「ロケが入ってないと喜ぶ芸人」という店にとっては意味不明の光景が発生する面白さを端的に表現している。編集側の「ここでこれを言ってほしかった」という気持ちが表れたワンショット。

12分45秒「いやあ、でもなあ、長いからなあ、たぶん……」

13分02秒「おお、すげえ!」「すごいね」

大田区、古びたラーメン店を見つけ「これは絶対ない」「初カメラ」とはしゃぐ春日・金ちゃんを心配しつつ、そのラーメン店がクリアだったことへのリアクション。これで3店連続となり、リーチがかかった。

13分13秒「やめろ!」

改めてそのラーメン屋に対して「絶対ないですもんね」「絶対ない」と口をそろえる春日・金ちゃんに対するツッコミ。これもワンショット、大テロップになる。

13分25秒「やめろって」

その後も「絶対ない」「向こう10年ない」と言い続ける2人に付き合う形でワイプでもフォローツッコミ。

13分41秒「いやー、どうなの?」

「東京海老トマト」という見慣れない種類のラーメン屋を訪れたトム・ブラウンに。春日・金ちゃんにリーチがかかった状態で、まだ1軒も成功していないトム・ブラウンとの対比を煽っている。結果、クリアとなるが、それには何も言わない。

15分13秒「ええやろ、別に」

リーチの春日・金ちゃんが発見した中華料理屋「タイガー」。春日が店内を覗き込み「おやじさんが1人でイス拭いてた」と状況を説明したことに対するツッコミ。

15分33秒「はや」

「タイガー」が取材アリだったことに対して。スタジオが意外な結果にリアクションする中、松ちゃんだけが店主の返事のタイミングに食いついている。

15分56秒「言うな」

この店に過去『町中華で飲ろうぜ』(BS-TBS)の取材が入っていたことを知らされ「(あの番組は)微妙な町によく行くのよ」とあくまで失礼ボケを張る春日に対するツッコミ。ほかの2組はコンビ稼働だが、この2人だけツッコミ不在のペアなので、松ちゃんがツッコミ役を買って出ているという構図。ちなみに春日と金ちゃんはプライベートでも仲良しなので、失礼ボケにも拍車がかかる組み合わせになっている。

16分43秒「いやーちょっと、腹がねえ」

一方、新宿のトム・ブラウンはまた失敗。先ほどの「腹がきつくなってきた」という2人の発言を思い出させるフォロー。

16分45秒「超有名じゃん」

しかも過去に取材された番組は『スッキリ』(日本テレビ系)だった。

17分02秒「もう聞くまでもなかった」

次にトム・ブラウンが入った店で、店員が聞かれる前から「久本雅美さんがいらっしゃったときにね」と話し出した際のひと言。

20分05秒「急に来たな」「びっくりしたぁー」

トム・ブラウンが入ったタイ料理店で、質問された店員が厨房にタイ語で話しかけている最中に相手の返答を待たず、シームレスに「(取材は)入ったことないです」と言ったことに対するツッコミ。ここも松ちゃんのスタジオワンショットに大テロップ。スタジオに戻るということはVTR音声が途切れるということで、松ちゃんのツッコミがより粒立てられている。

20分25秒「ええとこ見つけたやん」

さらに隣のタイ料理店もクリアし、2軒連続となったトム・ブラウン。近隣一帯に狙いを定めてラッシュ態勢に入ったことへの補足説明。

20分32秒「すげえー! 新宿で!」

3軒目もクリア。この日いちばんの大きなリアクション。

20分40秒「そうなんやー」「いいねえ」

トム・ブラウンの3連続クリアで、全組がリーチという状況に。おそらく「そうなんやー」は、「あんまり大食い耐久にならないうちに、みんなリーチになったんやー」くらいの意味で、「いいねえ」は「まあそれはそれでいいか」くらいの意味だと思われる。クライマックスを迎え、一度この企画全体を俯瞰で見ている。たぶん。

21分13秒「うわー厳しいなぁ、これ」

きしたかの、リーチ状態で「たこ焼き、焼き鳥、タイ料理」という看板がかかった、いわくも荒川区らしい店にチャレンジ。店の佇まいや電飾についての素直な感想。「厳しい」は取材する側として「入りづらい」の意味。

21分17秒「これ厳しいやろ」「これ大丈夫やろ」

店内にカメラが入っての素直な感想。しかし「(取材)あります」の返答に松ちゃん「マジかよー」と爆笑。ちなみにこのヘンテコな店にロケに入ったのは『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京系)とのこと。確かに「モヤモヤ」だった。

23分22秒「きっついなぁ」

大田区の春日・金ちゃんが4件目の焼肉店でクリア。開始10時間での帰宅となったことに対して。

23分38秒「マジか荒川ケーブルテレビ」

荒川区のきしたかのが訪れる店が、ことごとく荒川ケーブルテレビの取材に応じていることを受けて。

24分38秒「おー、終わった」

トム・ブラウンが4軒目クリア。長時間に及ぶロケに臨んでいる参加者に同情的なコメントが続く。

24分58秒「こっからかぁ」

ほか2組が帰宅したのに対し、リセットされて0軒から再スタートのきしたかのに対して。

25分40秒「うわー、時間が……」

ここから3軒連続でクリアしたきしたかのだが、時刻が0時30分。早く終わらせてあげたいという松ちゃんの優しさが滲む。その後、きしたかのがクリアしてスタジオに戻るまで発言はなかった。

27分00秒「『ないの』って言ってたね、あのジジイ」

きしたかのが最終クリアとなった店の店主の特徴的なキャラをここで軽イジリ。明らかにツッコミどころだったが、とりあえずVTRを終わらせることを優先したようだ。全体的に若手の失礼ボケが連発される企画だったことを受けて、すべての参加メンバーの失礼を帳消しにするような最悪の失礼ボケをここに置くという、やっぱりこれは優しさだよなぁ。

27分37秒「なるほどなるほど、ちょっとかかってたよねえ」

アンガールズ田中卓志が、春日をはじめとする失礼ボケに対し『水ダウ』の看板を背負って好き勝手言っていたと指摘。松ちゃん的には、失礼ボケの話はさっきの「あのジジイ」で処理し終わっていたことだが、田中の発言にも改めて乗ってみせている。

(文=新越谷ノリヲ/後編へ続く

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/01/25 16:00
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed